「売る」ことに必死だった私が、お客様に「生活全部、任せるよ」と言われた日。
Profile
販売員 山﨑
4年目社員。炊飯器・生活家電コーナー担当を経て、現在は幅広い商品の接客を行う。
ワークライフバランスを大切にしながら、「聞く力」を武器に日々の接客に臨んでいる。
新しい人と話すこと、緊張しますよね。私もそうでした。毎日が「初めまして」の連続で、「うまくアプローチできるかな」と緊張ばかり。「売らなきゃ」という気持ちが先走って、お客様の生活が見えていなかった頃もあります。でも、家電量販店の販売って、商品知識だけじゃないんです。これは、入社4年目の私が、ようやく言葉にできるようになった物語です。
先輩の背中を追いかけた、炊飯器コーナーから始まる毎日
入社してすぐ、専属の先輩——コジマでは「スポンサー」と呼んでいます——がついてくれました。9時に出勤して、午前中から15時くらいまでは、先輩の接客をひたすら後ろで見学。お手本を学んで、午後からは自分で行けるコーナーで接客を始める。最初は電球や電池から入って、少しずつレベルアップしている実感が持てた頃、炊飯器コーナーを任せてもらえるようになりました。
炊飯器コーナーで最初にぶつかったのが、ある価格帯の難しさでした。1万円〜2万円台の炊飯器は、高額なモデルと違って、それぞれの良さがお客様に伝わりにくい——接客する側からしても、微細な違いしか説明できない価格帯なんです。だから、人気商品やコストパフォーマンスの良い商品をお客様の目に入りやすい場所に移動して、後ろに在庫を置いて「ここから取ってください」と分かりやすく展開しておく。朝のうちにそうしておくと、夕方には接客無しでも在庫が何個か売れている。「あ、自分の工夫が形になった」——小さな成功体験でしたが、自分なりに売り場を作る面白さを、ここで知りました。
「販売はロボットじゃダメ」と気づいた、配送トラブルの日
でも、うまくいくことばかりじゃありません。1年目の私は、商品の良さを伝えることに必死で、お客様の「生活」を見ていなかったんです。
ある日、配送のトラブルが起きました。お客様のご自宅には外階段があって、商品を設置するためには追加料金が発生する状況だったのに、私はそのヒアリングを怠っていた。配送日になって料金トラブルになり、店舗にも迷惑をかけてしまいました。
あの時、痛感しました。自分は「商品を売る」ことだけにフォーカスして、目の前のお客様の状況——どんな家に住んでいて、どんな配送になるのか——を全く見ていなかった、と。ロボットのような一辺倒な接客が、一番避けるべきものなんだ、と。お客様が急いで壊れた家電を探しているのか、引っ越しでじっくり検討しているご夫婦なのか——その特徴や要望を捉えて、柔軟にアプローチを変えなきゃいけないんです。
そう気づいてから、私は売り場で尊敬する先輩を観察するようになりました。お客様の心を開くのがうまい先輩には、共通点があったんです。表情に自信があって、何より「聞く力」がすごい。商品知識を一方的に話すんじゃなくて、まずお客様から引き出してから、ベストアンサーを返す。だから自信があるように見える。「ああ、自分が真似すべきはここだ」と気づいた瞬間でした。
レンジ1台の接客から、新居の家電一式を任された日
転機は、あるご夫婦との出会いでした。お引っ越しを控えたお客様で、最初は2万円のレンジを見に来ただけ。買うつもりもなかったそうです。
レンジの接客をしながら、食事に関する全般のお話を丁寧に聞いていきました。どんな料理を作るか、オーブン機能は使うか。そうしているうちに会話が広がって、お客様のライフスタイル全般の話になったんです。最終的に、ご家庭で使っている携帯のキャリアプランの話まで。「今のプランを見直すと月々2千円〜3千円浮きますよ」とお伝えしたら、「そんなの知らなかった」と。たまたま同じ苗字だったこともあって、ぐっと打ち解けて。最後には「じゃあ生活全部、任せるわよ」と言っていただけたんです。
結果、レンジ1台の予定だったご夫婦が、エアコン4台、テレビなど、新居用の大型家電一式をその日にまとめて決めてくださいました。本来は引っ越し直前にじっくり選ぶはずだったものを、こんなに短い時間でお任せいただけたのは、生活全体に寄り添う対話ができたからだと、振り返って感じています。
この経験から「お客様の利益を一番に考える」という姿勢を、意識して続けるようになりました。たとえば、ある時、在庫がなくなった商品をどうしてもお探しのお客様がいたため、近隣店舗やメーカーさんへの連絡はもちろん、神奈川や埼玉の店舗まで調べて取り寄せたことがあります。お客様から「これ、山崎さんの売上にならないでしょう?」と気を遣ってくださって。「いやいや、全くお気になさらないでください」とお返ししました。お客様の利益を第一に。たとえ0.01%でもお客様にとって良いことがあるなら全部話す——それを徹底していたら、いつの間にか「販売員」ではなく「山崎さん」として見ていただける関係が、少しずつ広がっていったんです。「こんなに丁寧に説明してくれる販売員さんはいなかった」——そう言っていただける瞬間がお客様からいただける何より嬉しいありがとうです。
安心して、飛び込んできてください
こうしてお客様との関係性を一つひとつ築いてこられたのは、コジマが入社してすぐに土台作りをしてくれる会社だからだと思っています。分からないことは聞きに行けば、ほとんどの人が答えてくれる。年に2回、4連休も取れますし、プライベートの時間もしっかり確保できる。私の就活軸だった「ワークライフバランス」も、ちゃんと守れる職場です。
成長するために大切なのは、とにかく挑戦すること。失敗して覚えることの方が、ずっと多いですから。安心して、飛び込んできてください。お会いできる日を、楽しみにしています。