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サステナビリティ
TCFD提言に基づく情報開示
コジマ(以下、当社)は、年々激化する気候変動問題への対応は、重要な経営課題の一つと認識しており、2022年8月31日に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※)」提言への賛同表明を行いました。
当社は、気候関連のリスク及び機会に関する 「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」について検討と対応を行っています。
※TCFDとは、G20財務大臣及び中欧銀行総裁の意向を受け、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォースです。
ガバナンス
a)気候関連のリスク及び機会についての取締役会による監視体制
当社の取締役会は、気候関連課題への対応に関する重要事項について審議・決定するとともに、各取締役から対策や進捗状況を、適宜報告を受けることで、取締役会としての指揮・監督を行うこととしております。
また、当社では取締役会とは別にTCFDへの対応をはじめとする気候関連課題を審議・諮問する機関として代表取締役及び業務執行取締役並びに常勤監査等委員を構成員とし、必要に応じて、委員以外の者(弁護士、公認会計士等の外部の専門家を含む。)がオブザーバーとして参加するサステナビリティ推進委員会を設置しています。サステナビリティ推進委員会の構成員は取締役を中心に構成されることから、代表取締役社長が議長を務める取締役会においても気候関連課題への対応に関して、迅速な意思決定や重要な業務執行の監督を可能とする体制を整備しております。
加えて当社では、独立社外取締役が過半数を占める監査等委員会を設置しており、監査等委員会では取締役会の気候関連課題への対応について、適法性や妥当性を監査・監督を行うこととしております。また、2022年6月には、6つのマテリアリティの実現に向けて複数の分科会を設置しました。
それらの分科会において当社の運営する店舗に太陽光発電設備を導入するなど、具体的な施策の立案と実行を進めるとともに、引き続き中長期的な視点に立ったKPIの設定についても議論し取締役会で報告を行ってまいります。
コーポレート・ガバナンス体制図
b)気候関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割
当社では、気候関連課題に対する基本方針の決定や具体的な対策の立案に関しては、毎月開催している取締役会にて審議・決定されるとともに、各取締役は課題に関する業務執行の状況を取締役会にて適宜報告を行うこととしております。また、代表取締役社長は取締役会の議長として、原則すべての取締役会に参加するほか、課題の審議・諮問を行うサステナビリティ推進委員会の委員長として、課題に対する中長期的な計画や施策効果の検証、業務執行の指揮や監督を担っており、当社の気候関連課題への対応に関して最高レベルの責任を負っております。
なお、当社のサステナビリティ推進委員会は、取締役会レベルの審議・諮問機関として設置するものです。
気候変動への対応に関連する会議体とその役割 | |||||
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会議体 | 役割 | 役割(詳細) | 議長(責任者) | 主な構成員 | 開催頻度 |
取締役会 | 決定 ・ 監督機関 |
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代表取締役社長 |
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毎月 |
サステナビリティ 推進委員会 |
審議 ・ 諮問機関 |
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代表取締役社長 |
|
- |
リスク管理委員会 | 管理 ・ 検証機関 |
|
リスク管理担当役員 |
|
四半期 |
各部門 | 検討 ・ 実行機関 |
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各本部長 |
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- |
事務局 | 連絡 ・ 調整機関 |
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- | - | - |
戦略
a)短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会
対象事業 | 当社のすべての事業 |
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時間軸 | 短期:2022年~2024年、中期:2025年~2030年、長期:2031年~2050年 |
参照したシナリオ | IEA2DS(2℃シナリオ)、IPCC RCP8.5(4℃シナリオ) |
- (1)
- 当社は、国際エネルギー機関(IEA)の「Energy Technology Perspective」で示されている2100年までの世界平均気温の上昇が少なくとも50%の確率で2℃に抑えられるシナリオである「2℃シナリオ(2DS)」を用いて、低炭素社会への移行リスクを分析しました。本シナリオでは、エネルギー部門のCO2排出量が2060年に現状の70%削減となり、2100年にはカーボンニュートラルになる他、2060年の1次エネルギー消費における化石燃料への依存度は、35%に下がります。また多くの石炭火力が耐用年数を迎える前に閉鎖され、残った石炭火力はCCSを実施する設備となります。本シナリオの予測を元に当社への影響を分析しました。
- (2)
- 当社は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「代表濃度経路(Representative Concentration Pathways)シナリオ」のうち、21世紀末の世界平均気温の上昇が最大で4.8℃になる、「RCP8.5」を用いて、気候変動による物理的な影響を分析しました。RCP8.5は、世界が化石燃料依存型のまま気候変動に対する政策や対策が行われず温室効果ガスが大量に排出されるシナリオです。地域や季節により降水量の差が激しくなり、海水面は最大0.82m上昇します。また、極端な高温や大雨、干ばつなどが起こる可能性が高まります。本シナリオの予測を元に、当社への影響を分析しました。
気候シナリオ分析の結果
リスク・ 機会の種類 |
評価項目 大分類 |
事業への インパクトに 関する考察 |
当社にとってのリスクと機会の内容 | 2℃ | 4℃ | ||
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時間軸 | 事業/財務 への影響 |
時間軸 | 事業/財務 への影響 |
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移行リスク | 政策および 法規制 |
|
|
中期 | 中 | 長期 | 低 |
|
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市場 |
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長期 | 中 | 長期 | 低 | |
評判 |
|
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長期 | 中 | 長期 | 低 | |
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|
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物理的リスク | 急性 |
|
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短期 | 高 | 短期 | 中 |
慢性 |
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短期 | 高 | 短期 | 中 | |
機会 | 製品・ サービス |
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短期 | 中 | 中期 | 低 |
運用 |
|
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中期 | 中 | 長期 | 低 |
分析の結果、炭素税や排出量取引制度などが導入され、GHGの排出に対するコストが増加するほか、排出量報告義務の強化や家電製品に対する省エネ基準の強化や消費者の気候変動意識の向上と購買行動の変化などの影響が生じることが明らかになりました。
また、大型台風や集中豪雨など、極端な気象事象が増加し、店舗や物流網の被害が増えたり、猛暑や平均気温の上昇など、当社の店舗運営と商品販売に影響を及ぼすことが分析の結果明らかになりました。
b)気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
当社では、将来の温室効果ガス排出規制の強化に備えて、2015年9月1日から当事業年度末までに、約38億円かけて、店舗に省エネ性能の高い空調機器やデマンドコントローラーを導入しました。
また、2015年9月1日から当事業年度末までに、約20億円をかけて、店舗に省エネ性能の高いLED照明を導入しました。
これらの施策を通して、将来の温室効果ガス排出量削減に取り組んでまいります。
c)気候シナリオに基づく検討を踏まえた戦略のレジリエンス
当社は、気候シナリオ分析を実施することで、気候変動が当社の事業に影響を及ぼすリスクと機会を明らかにしました。
これにより、マイナスの影響を回避または低減し、プラスの影響を最大化するために、今後更なる分析を行い、戦略のレジリエンスを高めてまいります。
d)コーポレートPPA
当社店舗の屋上・屋根等に太陽光発電設備を設置し、発電したグリーン電力を当社で購入し使用するコーポレートPPA(PPAは「Power Purchase Agreement」の略、電力販売契約)を導入しています。現在6店舗に導入しており、今後更なるCO2排出量削減へ向け、引き続き店舗への導入を進めてまいります。
リスク管理
a)気候関連リスクを識別・評価するプロセス
当社は、代表取締役及び業務執行取締役並びに常勤監査等委員を構成員とし、必要に応じて、委員以外の者(弁護士、公認会計士等の外部の専門家を含む。)がオブザーバーとして参加するサステナビリティ推進委員会にてサステナビリティに関連するリスク・機会の洗い出しを行います。
洗い出されたリスク・機会は、代表取締役社長が議長を務める取締役会にて審議し決定されます。
特定したリスク・機会は、本部長や組織長から各部門に落とし込みを行い具体的な施策を検討し実行いたします。
b)気候関連リスクを管理するプロセス
特定したリスク・機会の具体的な施策の効果等については、リスク管理委員会にて定期的に管理・検証を行うこととしております。
識別された各リスクにおいて、リスク回避策(コントロール)策を検討してまいります。
気候関連リスクの管理プロセス | 担当(会議体・部門) |
---|---|
リスクの識別・評価 | サステナビリティ推進委員会 |
全社的なリスク管理への統合 | リスク管理委員会 |
サステナビリティ推進委員会 | |
リスク管理の実態 | リスク管理委員会 |
サステナビリティ推進委員会 | |
モニタリング・監督 | サステナビリティ推進委員会 |
c)気候関連リスク管理と全社的リスク管理の統合状況
識別・評価された気候関連リスクは、全社的なリスク管理の観点からサステナビリティ推進委員会で協議を行い取締役会に報告してまいります。
指標と目標
a)気候関連リスク及び機会の評価に用いる指標及び目標
当社は、気候関連リスク及び機会の評価に用いる指標として、Scope1,2,3の温室効果ガス排出量を指標と定め、2030年までにScope1,2合計の温室効果ガス排出量を2017年度比で55%削減することを目標としております。
b)これまでの温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2、Scope3)
温室効果ガス排出量(当社実績値)
(単位:t-CO2)
スコープ | カテゴリー | 2017年度 (2017年4月~ 2018年3月) |
2018年度 (2018年4月~ 2019年3月) |
2019年度 (2019年4月~ 2020年3月) |
2020年度 (2020年4月~ 2021年3月) |
2021年度 (2021年4月~ 2022年3月) |
2022年度 (2022年4月~ 2023年3月) |
2022年度 2017年度対比 (削減率) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Scope1 | - | 2,393 | 2,521 | 1,720 | 1,930 | 1,981 | 1,555 | 64.9% (△35.1%) |
自社の燃料の使用
|
Scope2 | - | 55,805 | 51,463 | 42,853 | 39,013 | 39,941 | 31,824 | 57.0% (△43.0%) |
自社の電気使用
|
Scope1,2 計 |
- | 58,198 | 53,984 | 44,573 | 40,943 | 41,922 | 33,379 | 57.3% (△42.7%) |
- |
Scope3 | 1,2,3,6, 7,11,12 |
3,432,156 | 3,684,909 | 3,488,317 | 3,939,047 | 3,399,645 | 2,978,050 | 86.8% (△13.2%) |
上流、下流からのGHG排出量
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