【2024年】風景撮影におけるカメラの基本設定と撮り方のコツをご紹介

2024.3.28

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日常の何気ない風景や旅先の風景などに感動して、思わずシャッターを切る、そんな方は多いのではないでしょうか?しかし、いざ撮影してみると「思ったように撮れてない」という経験をした方もいるはず。そこで今回は、風景撮影のコツやカメラの設定方法について解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

風景撮影のカメラ設定

風景撮影のカメラ設定

風景の写真は明るさやピントのあわせ方やコントラストなど設定に気をつけることでぐっと良い写真になります。細かい写真の設定は苦手…という方にも試していただきたい設定のコツをまとめます。ひと手間かけることで、写真が良くなり撮影が楽しくなると思いますので是非試してみて下さい。

撮影モード

撮影モード
絞り優先(A/Av)モードを使う

風景を撮影する場合、撮影モードは基本的に「絞り優先モード」に設定するのがおすすめです。「絞り優先モード」にすることで、ピントの合う範囲を調整することができます。F値を小さくすると背景がボケやすくなり、反対にF値を大きくすると手前から遠くまでピントが合った写真を撮ることができます。

絞り

絞り

広角レンズなどで広範囲を切り取る風景写真では、構図の手前から奥まで全体的にピントが合うパンフォーカスで撮る方が、景色全体が見やすい綺麗な写真に仕上がります。パンフォーカスで撮影したい場合、目安のF値は8~16とされています。被写体を目立たせ、適度なボケを得たい場合は、F値は5・6前後がおすすめです。また、しっかりと前景・後景をボケさせて被写体だけを強調したい場合は、F2.8以下に設定しましょう。

ISO感度

ISO感度

絞り優先(A/Av)モードの場合、カメラが自動で最適な値に設定してくれます。ただし、マニュアルモードでの撮影を含め、手動で設定する場合は、シャッタースピードを設定後にISO感度を低い値から調整するのがおすすめです。 まずは、手ブレしないシャッタースピードや、意図する表現に合わせたシャッタースピードに設定したうえで、適正な明るさになるようISO感度を調整してください。ISO感度は低く設定する方がノイズが少ない画質の良い写真になりますが、その分手ブレを起こすリスクが高まります。レンズの手ブレ補正と合わせて、手ブレを起こさないシャッター速度になるISO感度を設定しましょう。

WB(ホワイトバランス)

WB(ホワイトバランス)

ホワイトバランスとは、白を白く写すための機能です。風景写真では太陽光の下で撮影をすることになるので、WB(ホワイトバランス)を太陽光に設定します。日中・くもり・夕方など、どの時間帯や天候でも太陽の光のもとで撮影していることに変わりがないので、目に見えている自然な色で写真を撮ることが可能になります。朝焼けや夕焼けの撮影など、その瞬間の特別な色を強調したい場合には、WB(ホワイトバランス)を「くもり」や「日陰」などに変更して撮影するのもおすすめです。

ピクチャースタイル

ピクチャースタイル

ピクチャースタイルは、写真の色合いを切り替えられる機能のことです。撮影後にレタッチをしなくても、簡単に理想とするテイストの写真に仕上げられます。ピクチャースタイルは、キヤノンの名称ですが、カメラメーカー毎でその名称は異なります。

Nikon ピクチャーコントロール
SONY クリエイティブスタイル
富士フイルム フィルムシミュレーション
OMSYSTEM ピクチャーモード

空の青と木々の緑を綺麗に出すためには、「風景」にセットするのがおすすめです。ただし、被写体が元々色鮮やかな場合は「風景」にしてしうと、不自然な明るさになることがあるので、その場合は、「スタンダード」にしましょう。

シャッタースピード

シャッタースピード

風景撮影では、手持ちの場合、1/250秒前後。三脚使用の場合、1/60~1/2秒がおすすめとされています。シャッタースピードを遅めに設定することで、水の流れや草木のそよめきなど、動きのある写真を撮影できます。また、シャッタースピードを遅くする場合は、三脚を使用するようにしましょう。更にレリーズがあると、シャッターを押した際のわずかな振動で、写真がブレてしまうことはなくなります。

露出補正

露出補正

露出補正とは、写真の明るさを調整する機能です。露出補正を+(プラス)にすることを「ハイキー」、-(マイナス)にすることを「ローキー」と言います。太陽の位置やその時の雰囲気に合わせて、「ハイキー」「ローキー」を使い分けることでその場の空気感を写真に表現できます。

保存形式

保存形式

風景撮影時の保存形式は「RAW」での保存があすすめです。RAWで保存しておけば、画像を劣化させることなく後から編集することが可能です。風景撮影では、撮影時は良いと感じていても、後から見ると色味などがイマイチと感じることがあります。RAWで保存しておけば、多少の明るさや色味・ホワイトバランスの調整は可能なので、撮影後でも自分が納得のいく写真に仕上げることが可能です。RAWはJPGに比べて容量が大きいため、保存するSDカードは64GB以上がおすすめです。

SDカードを探す

風景撮影のコツ

風景撮影のコツ

風景撮影には、3つのコツがあるとされています。カメラ設定と合わせて、コツもしっかり覚えてください。

時間帯

時間帯

写真はいつ撮っても同じというものではありません。撮影時間帯によって撮れる写真やイメージが全く異なってきます。マジックアワーと言われる時間帯は何でも美しく撮れる魔法のような効果を発揮します。

日の出前後(マジックアワー)の時間帯の特徴
日の出前後(マジックアワー)の時間帯の特徴

非日常的な写真がとれる
天候によって様々な自然現象を期待できる(朝露、濃霧、雲海、霜)など
日没時のマジックアワーと比べ、自然現象とのショットが狙いやすい

日の出前後(マジックアワー)の時間帯の特徴
日の出前後(マジックアワー)の時間帯の特徴

地面と空との明暗差が強くなり水面のリフレクションの効果が強く期待できる
シルエットが長くなり人物・建造物の印象が変わってくる
どことなく哀愁を感じさせる時間帯

光

「光」には大きく分けて5種類の「光の向き」があります。光の向きを頭に入れながら写真を撮ることが、基本中の基本でありながら極めて重要なことです。

順光の特徴

被写体全体の色や形をはっきりと写せる
空を青く撮りたいときには順光が良い
影が少ないので立体感が出ない

サイド光の特徴

光と影がどちらも強く出て、写真にメリハリが生まれる
色やディティールを出しながら立体感も出やすい

斜光の特徴

斜めから光が当たることで、順光よりも影ができる
写真に立体感が生まれやすい

逆光の特徴

朝夕の光で撮ることで、幻想的な印象の写真になりやすい
被写体の前側が暗くなりやすいので、技術が必要

構図

構図

構図とは、「どこに何を配置するか」を決める手法のことです。それによって作品のテーマが明確になったり、主役がより魅力的になったりします。同じものを撮影しても、構図によって伝わるものが変わってくるので、ぜひマスターしましょう。

三分割構図
三分割構図

三分割構図とは、画面の縦と横を三分割した「3 × 3」の構図のことで、さまざまなシーンで使えるオールマイティな構図と言われています。主役を中央ではなく端に寄せることで、反対側に大きな余白ができ、バランスの良い構図を創り出すことができます。

二分割構図
二分割構図

「二分割構図」とは、画面を上下あるいは左右に半分ずつ分ける構図です。かなり安定感があり、コントラストの効いた構図ですので、空と海、空と山、空と街並など、雄大な風景を撮影するときには、特に向いています。二分割構図の応用として、単に上下あるいは左右で分けるだけでなく、それが鏡に写したような関係にある「シンメトリー構図」というものもあります。

日の丸構図
日の丸構図

「日の丸構図」とは、写真の中央に主役を配置するものです。主役の存在感が強い構図ですが、多くの人が主役を真ん中にして撮影するので、ほとんどが日の丸構図になりやすく、平凡な印象になりがちです。

三角構図
三角構図

「三角構図」とは、三角形を意識して撮る構図のことで、必ずしも三角形になる必要はありません。いずれにしろ底辺の方が長いので安定感が生まれます。また頂点に向かって下から上へ視線を誘導するため、高さや奥行きを感じさせることもできます。

放射線構図
放射線構図

「放射線構図」は手前から奥までずっと続いていくような臨場感と奥行きを表現することができます。街並みや駅、直線が続くような道では放射線構図が活用しやすいです。

ローアングル
ローアングル

「ローアングル」は構図ではありませんが、簡単な方法で効果が大きいのでご紹介します。カメラを低い位置に置き、上向きに撮影することで、普段、目にすることのできない迫力のある世界を撮影することができます。

まとめ

風景撮影においてのカメラの設定やコツについてご紹介いたしました。いかがだったでしょうか?風景撮影では、カメラの設定や構図など、色々と気にすることがあります。覚えることもたくさんです。しかし、慣れてしまえばきっと満足が行く素敵な写真が撮れるようになります。今回の記事を参考に、練習していただき、心に残る名作を撮ってみてください。